2010年3月19日 伊豆東部火山群 大室山見学


3/19AM9:00自宅出発。
R16で神奈川を縦断するか、一度都内へ出て環八・東名で行くか迷ったが、結局都内ルートで行くことになった。
これがとんでもない判断ミス。
伊東に着いたのが15:30頃だったので自宅から6.5時間かかったことになる・・・ありえない・・・痛恨の判断ミス。


GF1+20mm
環八で大渋滞に巻き込まれる。
挙句の果てには、なんとエンストした。CVT車なのにエンスト。ありえん!
そのまま東名自動車道に乗ったが、怖いので小田原市内のダイハツで見てもらった。
・・・故障らしい。車が停止するとエンストするので、停止したらすぐニュートラルに入れてくださいと言われる。
確かにエンストしなくなったが、買ってまだ2年なんですけど・・・どういうこと?


GF1+20mm
小田原市内でもR135が大渋滞。
小田原から真鶴まで渋滞が続いていると伊東入りが17時を回りそうだったので、高いがターンパイクで行くことに。
写真はおそらく偽紺看。偽なのかどうか判断できない。


D90+sigma30mm
ターンパイクを抜け富士見峠から箱根火山を望む。
左がカルデラ湖で有名な芦ノ湖。中央手前の山が屏風山。その右奥の箱根駒ケ岳は中央火口丘の一つ。
有史以来噴火の記録はないが、噴気活動が活発で活火山指定されている。
大規模噴火は3000年前に中央火口丘の一つ神山で起き、磐梯山のように山体崩壊を起こし芦ノ湖を形成。
最近では、13世紀に同じく中央火口丘で水蒸気爆発を起こしているようだ。
それから700年以上箱根火山は噴火していないが、火山の一生は長いので再噴火の可能性は高い。


D90+sigma30mm
富士見峠から反対側の真鶴温泉・湯河原温泉を望む。
湯河原も古い火山で十数万年前に活動し、箱根火山の一部ではないかと考えられているようだ。



湯河原峠からパノラマ。
右から順に箱根火山中央火口丘の箱根駒ケ岳、箱根火山外輪山の三国山、箱根外輪山の裾野の向こう側に愛鷹火山、左端に薄っすらと駿河湾が見える。
富士山は厚い雲の中で見えなかった。
火山地形の特徴である長い裾野が見事だ。
ちなみに愛鷹火山は10万年前に活動を休止しているが、数十万年経ってまた活動する火山もよくあるので完全に死んでいるのかどうか不明。


D90+sigma30mm
駿河湾が一望できる。
左端にちらっと写っている岬は恐らく井田火山の溶岩流だと思われる。
井田火山は60万年前に活動していた。愛鷹火山と同じく死んでいるのかどうか不明。


D90+55~200mm
なんだかんだでようやく伊東市入り。疲れた。
当初の目的だった大室山が見えた。
プリンみたいでかわいらしい。


D90+55~200mm
黄砂の影響であまりきれいに撮れない。
これから乗る登山リフトが筋のように見えている。
それにしても、自然の造形美に溜息が出るなぁ・・・かわいい。


D90+sigma20mm
大室山の麓のさくらの里から撮影。
ここから見上げると、お椀を伏せた形に見える。
近くに高い山が無いので異様な感じ・・・


D90+sigma20mm
時間が無いのでさっさとリフトに乗る。
意外と人が乗っていた。
この登山リフト、斜度が45度くらいあり非常に怖い。


D90+sigma20mm
火口の底はアーチェリー場になっている。単成火山の為、もう火山性の活動は一切ないのだろう。
大室山は伊豆東部火山群の中でも新しい火山で、約4000年前に10年間くらい活動したようだ。
噴出した溶岩量は凄まじく、380,000,000トンだといわれている。伊豆高原を覆いつくし城ケ崎海岸を作ったのはこの大室山溶岩流だ。

ちなみに1989年に伊東沖で海底噴火し盛んに報道された手石海丘は、有史以来人類がはじめて目撃した伊豆東部火山群の噴火。単成火山で大室山の親戚。
たまたま海底に火口が開いたが、伊東市街のど真ん中で噴火してもおかしくなかった。単に運がよかったとしか言いようがない。
数年後か数千年後か、次の火口はどこに開くのだろうか・・・


D90+sigma20mm
火口壁を歩いてぐるっと一周できる。
中央右の小高い山は小室山。15000年前に噴火した。現在小室山溶岩流の上に川奈ゴルフ場が作られている。
中央左に見える湖は一碧湖。10万年前に活動。上がってきたマグマが大量の水と接触して水蒸気爆発を起こしマール地形を形成、水が溜まったのが一碧湖。
沖の小さい島は手石島。あの近くの海底で1989年噴火があった。噴出したマグマ量は少なく、噴煙もあまり上がらず津波も起きなかった。本当に幸運だったとしか言いようがない。
この写真を見ても判るが、伊東は火山だらけなのだ。次の噴火がいつどこで起きてもおかしくない。


D90+55~200mm
一碧湖。
湖のすぐ後方にある高まりは城星火山。65000年前に爆発したようだ。


D90+55~200mm
小室山。かなり侵食されているが、火口地形が残っているようだ。
大室山の半分しか大きさがないのに、噴出した溶岩は530,000,000トンと多かったようだ。
山の裏側に川奈ゴルフ場があるが、ゴルフ場内にも火山がある。川奈南火山といい小室山に先立って30000年前に活動した。


D90+sigma20mm
火口壁南側には三等三角点がある。


D90+55~200mm
伊豆大島が霞んで見える。
三原山は非常に活動的な火山で、1986年大噴火の際には全島民が避難したのは記憶に新しい。


D90+sigma20mm
下を見ると大室山溶岩流が作った伊豆高原を見渡すことができ壮観。
遠くに左から、伊豆大島・利島・新島が見える。何れも火山島だ。
右下の山腹に見えている窪みは、大室山の側火山火口。これも迫力がある。


D90+55~200mm
大室山の頂上火口の活動が終息に向かい、出口を失ったマグマや火山ガスがここへ逃げて火口を開いたのだろう。
今は水が少し溜まっている。近くで見たい衝動に駆られたが、山を荒らすのはよくないのでやめた。


D90+sigma20mm
三角点付近から火口を撮影。
アーチェリーをやっている人が米粒のようだ。


D90+sigma20mm
溶岩や噴石。
お土産で溶岩が売っているかと思ったら無かった。残念。


D90+sigma20mm
東側の火口壁には木が数本ある。
小室山もかわいいなぁ・・・



南側火口壁からパノラマ。



東側火口壁からパノラマ。



登山リフト休憩所の机には火口の地図。



下りのリフトは怖さ倍増。
景色は抜群に良いが、スースーする。



帰りは母親の希望で地魚を食い、土産を買ったり伊東温泉につかったりした。
伊東でかなりのんびりしたので、帰宅は23:55になってしまった。疲れた遠征だった。

それにしても、火山って面白いな・・・
機会があったら吾妻小富士もみてみたいなぁ。かわいい。